大日本印刷(以下、DNP)は、2022年10月1日に事業部門横断型の環境配慮デザインチーム「DNP GREEN PARTNER」を組織した。伝統ある大企業だが縦割りの組織形成にとらわれず、部門間を超えて志を同じくするメンバー同士が集い課題に取り組む風土がある。その志は事業部の枠を超えて挑む。目指すはゴミという言葉がない社会の実現だ。「DNP GREEN PARTNER」のメンバーで環境分野における経験と知見をもち、社会課題解決視点で環境配慮事業の構築に従事する柴田あゆみ氏に聞いた。(聞き手:落合平八郎)

リケジョの心が動いた。きっかけは手に付いた紙コップの赤い水滴。

学生時代に海外へいったときでした。何気に紙コップを持った際に赤い水が滴っていたんです。よく見ると紙コップの表面に印刷している赤いインクが溶けだしていました。びっくりしました。でも日本ではあたりまえのように、赤い水は滴らない、日本の技術はすごいなと感心しました。その頃、ラベルがマット調に印刷されたペットボトルが出始めたこともあり、日本のパッケージ技術に心底惚れこんでしまいました。大学卒業後、2003年にDNPに入社しました。大学では分析化学が専攻でしたが、念願のパッケージの仕事に携われました。

現在のお仕事をお聞かせください

Lifeデザイン事業部に所属しております。「Life」には、「生活」のほかに「生命」という意味があります。誰にとっても快適で健やかな「Well-being(心豊か)な社会」と、地球上すべての生命が存続していく「サステナブル(持続可能)な社会」を自らデザインし、Lifeにとって価値ある製品・サービスの開発・提供をしていきます。その中でこのイノベーティブ・パッケージングセンターは、環境ビジネスの推進と創出を担っており、「DNP環境配慮パッケージングGREEN PACKAGING(R)」を起点にそこから派生する新規ビジネス開発など環境ビジネス全般にわたっての戦略立案を行っています。これまでパッケージを提供してきたお客様以外にあらゆるステークホルダーとの接点も増やしてそこから発生するビジネス展開をやっていくというもミッションもあります。

写真:DNP GREEN PARTNERのメンバーたち(前列左から2人目が柴田氏)

モノからコトへ、未来の地球のために。

わたしたちの製品だけではなく、世の中の製品が全て環境に配慮した製品になるような取組みもやっていきたいと部門を超えて集まり、徹底的に議論してきました。そして、DNPだからこそできる顧客の環境と事業をつなぐ7つのプログラムを構築し今年10月に「DNP GREEN PARTNER」を発信しました。自分たちだけでは解決できないことも事業部横断的に取り組むとその糸口が見えてきます。また、社外のステークホルダーの皆様とも協働し社会課題解決の渦を大きくしていこうと考えています。パッケージを起点にDNPで培ってきた環境配慮のノウハウとさまざまなソリューションをかけ合わせることで、社会全体の意識改革に貢献していきたいです。

【インタビュー】大日本印刷 株式会社 柴田あゆみ 氏

本展では、柴田氏が登壇するセミナーを開催しました

2022年12月07日(水)|16:00 ~16:45|SUSMA-2

DNP環境配慮パッケージングGREEN PACKAGINGと新たな取組み

大日本印刷(株)
Lifeデザイン事業部 イノベーティブ・パッケージングセンター ビジネスデザイン本部
環境ビジネス推進部 第1グループ リーダー
柴田 あゆみ

※本講演は終了しました。