未来をつかむ、環境対応型の接着技術
サンスター技研が挑むカーボンニュートラル対応型材料の最前線

サンスター技研株式会社 藤山信之介 氏

 

エネルギー消費の削減が求められる時代、接着剤にも環境性能が問われるようになった。そうした流れを捉え、サンスター技研株式会社では、従来の加熱硬化に頼らず、UV照射や常温で硬化する接着剤の開発に注力している。なかでも注目は、影になった部分でも硬化が進む「影部硬化UV接着剤」だ。本記事では、その開発背景と展示会での狙いを藤山信之介さんへのインタビューをもとに紹介する。(文:落合平八郎広報事務所)

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大きなエネルギーを使わず、確実に硬化する


「弊社では昨今の省エネニーズの高まりから、硬化時に大きなエネルギーを使用しないUV照射や常温で硬化する材料を開発してきました」。そう語る藤山さんは、サンスター技研で工業用接着剤の企画・技術提案、営業を担当している。展示会では、工程短縮・省エネルギー化に寄与する材料として、影部硬化UV接着剤を紹介。「UV光を一箇所に照射するだけで、光が当たらない影の部分まで硬化が広がる。従来のUV硬化接着剤の課題を解決できる接着剤です」と語る。

自動車で培った信頼性を次の市場へ


展示会での狙いは、新規市場開拓にある。サンスター技研は、国内外の自動車メーカーに接着剤やシーリング材を提供してきた実績を持つ。現在では車載ディスプレイやADAS用センサ、EVバッテリー、その他エレクトロニクス分野にも用途が広がっている。「自動車用途で培った信頼性をベースに新しい機能/価値をプラスできることが、うちの一番の強みなんです」と自信を見せる。


新たな挑戦、バイオマス材料や発泡ガスケット


今回の展示では、昨今のカーボンニュートラルのニーズの高まりで採用が拡大しつつあるUV硬化タイプの防水防塵用塗布型発泡ガスケットや2液常温硬化タイプの構造用接着剤、バイオマス原料を活用した開発中の新素材も披露する予定だ。これらはすべて、環境負荷を抑えつつ、信頼性の高い接着技術等のベネフィットを提供するという共通の思想でつながっている。


“見えない力”で支える技術の未来


サンスターといえば歯磨きなどのオーラルケア製品のイメージが強いが、実は創業当初から工業用接着剤を手がけてきたのがサンスター技研である。自動車分野における長年の実績と、日本国内のみならずグローバルでの研究開発、生産供給体制を背景に、同社は確かな技術で未来のものづくりを支えている。「接着剤って、製品の中に組み込まれて目に見えない存在ですけど、確実に機能しないと意味がないんです」と藤山さんは語る。カーボンニュートラルという社会的要請に応える接着剤開発。その先には、次代の産業を支える静かな挑戦が続いている。

展示会:接着・接合 EXPO [大阪]

ホームページ:https://www.sunstar-engineering.com