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持続可能な未来を支える新素材 本州化学工業「バーチャル展示室」で見る最前線
本州化学工業株式会社 経営企画部 事業開発室 岡村 大地氏
本州化学工業株式会社は、ファインケミカル分野のグローバルスペシャリストとして、高機能樹脂の原料となるモノマーを製造・販売している。主な製品には、液晶ポリマー(LCP)、特殊ポリカーボネート樹脂、特殊エポキシ樹脂などに用いられるモノマーや、さらに電子材料、医薬品、農薬向けの原料となる各種化学品も取り扱っている。近年、持続可能な社会の実現に向けて環境対応型の新素材開発にも挑み続けている。同社は、開発中の素材を広く紹介する「バーチャル展示室」を通じて、PFASフリーやバイオマス素材といった未来を切り拓く革新を発信。経営企画部 事業開発室の岡村 大地 さんに、バーチャル展示室の狙いと、同社の開発姿勢について話を聞いた。
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未来市場へ挑む「バーチャル展示室」
「コロナ禍を機に『バーチャル展示室』を立ち上げました」と岡村さん。同社は、それまでの展示会で蓄積したパネルや資料を活用し、常設型のオンライン展示場として運営を開始。開発品をリアルタイムで紹介することで、従来の取引先に限らず新たな顧客にもアプローチしている。「展示会に限らず、広くホームページ上で紹介できたらいいと思ったのがきっかけです」。今では、持続可能な社会を見据えた最新素材群をタイムリーに発信する重要な場となっている。
「脱フッ素」・「バイオマス」で拓く新素材の提案
バーチャル展示室で特に注力しているのが、環境対応型の新素材群だ。PFAS(有機フッ素化合物)を使用しないポリイミド原料や、植物由来のバイオマス素材など、次世代を担う素材を積極的に開発している。「環境負荷の少ない素材開発に力を入れています」と岡村さん。
中でも、イソソルビド誘導体を活用したバイオマス素材が注目されている。一般的なポリイミドに比べ、無色透明で低誘電率特性に優れており、5G通信向け素材としても期待されている。
110年受け継ぐ、パイオニア精神と提案力
1914年創業以来、本州化学工業には「パイオニア精神」が根付いている。「新しい分野に挑戦する文化が今も続いています」(岡村さん)。素材開発の最上流に立つ立場から、市場ニーズを先読みした提案型開発を推進している。持続可能な社会への貢献を目指し、革新的な素材づくりに日々取り組んでいる。
サステナブル社会を見据えたグローバル戦略
「サンプル提供の依頼が増えており、関心の高まりを感じます」と岡村さん。特に日本国内では、電子材料分野における最先端ニーズに応え、脱フッ素・バイオマス素材を積極的に提案。今後は本業の安定と新規開発の両立を掲げ、グローバル市場も視野に、持続可能な素材普及に取り組む構えだ。本州化学工業は、新しい時代にふさわしい素材イノベーションの実現に挑み続けている。