高機能素材 Week
2025年11月12日(水)~14日(金)
幕張メッセ

QA(品質保証)とは?
QC(品質管理)との違いや必要性、求められるスキルを解説

QA(Quality Assurance、品質保証)とは、顧客や消費者に安心して製品を使用してもらうために必要な活動をさします。例えば、製品の強度や耐久性を調べ、通常の利用で事故や破損が起こらないことや、脱炭素に取り組み、環境に優しい製品であることを示すことなどが含まれます。

QAではどのような活動をするのか、また、QAを担当する従業員に求められるスキル、QC(品質管理)との違いなどを解説します。

QA(品質保証)とは  


品質保証(Quality Assurance)とは、自社製品が既定の品質を維持しているかを確認し、納品後も顧客に安心や満足を保証するための体系的な活動です。

保証の根拠となるデータのチェックや調査、クレーム対応などの業務が該当し、各部門へのフィードバックを通じて、顧客が満足できる品質を確保します。

QAで開示するデータ例

  • 材料、素材の品質
  • 製造過程で使用するエネルギーの種類
  • 製造過程で排出する炭素量
  • 製品の強度や耐久性、また、測定に使用した方法

近年は特に「環境への優しさ」が注目されています。製造に用いるエネルギーが化石燃料由来のものなのか、それとも太陽光や風力による再生可能エネルギーなのかは、顧客にとっても関心の高い要素です。

また、製造過程で排出する炭素量の情報も、品質保証のひとつとして提示する企業が増えてきました。顧客や消費者は排出炭素量が少ない製品を選ぶことで、環境保全活動に加われます。


QC(品質管理)との違い

QC(Quality Control、品質管理)とは、製造時に不良品を出さないための活動をさします。不良品が生じた時は、どの過程で生じたのか追究し、工程や作業内容、チェック体制などを見直します。

品質保証ができあがった製品に対する買い手視点の行動であるのに対し、品質管理は製造途中の製品に対する作り手視点の行動です。視点は異なりますが、良い製品を作り、消費者や顧客、社会に届けるためには、品質保証と品質管理のいずれもが不可欠な要素です。


その他類似するポジションとの違い

高品質な製品を生み出すために、品質保証と品質管理の専門部署を設置する企業も少なくありません。また、専門に担当する従業員を配置し、品質保証と品質管理のクオリティを高めている企業も増えています。

類似するポジションには、生産管理と製造管理が挙げられます。各管理業務、保証業務の違いは以下をご覧ください。

管理・保証の種類

業務内容

品質保証

製品が既定の品質を維持しているかを調べること。データ解析、クレーム対応なども含む

品質管理

不良品を出さないための活動。不良品が出やすい過程の追究、工程の見直しやチェック体制の構築なども含む

生産管理

品質を保つ製品を限られた原価で所定の数量、納期で生産するよう生産活動全体を最適化すること

製造管理

生産管理の一部。組み立て・加工など製造現場の進捗管理や工程管理のこと

QA(品質保証)の仕事内容  


品質保証は製造過程の前から始まります。主な仕事内容は、以下をご覧ください。

  • 品質評価基準の策定
  • 原材料の調査
  • 製造工程の調査
  • 品質トラブルの対応

順を追って解説します。


品質評価基準の策定

製品が常に一定の品質基準を満たすためには、適正かつ妥当な評価基準を定めることが必要です。顧客のニーズや今までのクレームなども考慮し、評価基準を策定します。

また、近年は企業のガバナンスとコンプライアンスが問われる時代です。製品の製造工程で環境汚染や地球温暖化、貧富の格差の拡大などにつながる要素がないことも求められます。排出炭素量や廃棄物の削減、原料や労働力に対して正当な対価を支払うことなどの基準も細かい設定が必要です。


原材料の調査

原材料の基準を作成します。評価基準をチェックリスト状にまとめておくと、スムーズに確認できます。また有害物質など使用制限物質を事前に決めたり、化学物資の安全性などを評価することも重要な役割です。


製造工程の調査

製造工程に問題がないかチェックします。製造過程で異物混入や品質低下が起こらないように、品質評価基準に則って確認します。


品質トラブルの対応

顧客・消費者の品質に関するクレーム対応も、品質保証の仕事です。不良品がどの工程で発生したのか、何が原因だったのかを追究し、製造過程や品質管理を見直します。

顧客・消費者の声には、良い製品を作るためのヒントが詰まっています。丁寧に耳を傾け、より高い品質基準の構築に活かしましょう。


株式会社 東京インスツルメンツの「PHOTON RT」は、フィルター・ミラー・PBSキューブなどの反射率・透過率・偏光測定を全自動で行う分光光度計です。 反射・透過測定ごとに測定用アクセサリーを交換する必要がなく、反射率・透過率を続けて測定できます。これにより、作業効率が大幅に上がり、タクトタイムを大幅に削減できます。

機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなどの最先端の素材技術が一堂に集結する「高機能素材 Week」は、各業界の研究・開発・設計・製造担当者の方におすすめの展示会です。

QA(品質保証)の必要性  


品質保証は、顧客や消費者に安心して製品を使用してもらうために必要な業務です。品質保証に積極的に取り組むことで、企業の信頼性向上につながります。

また、企業の社会的信頼度を高めるためにも、品質保証基準の公開が不可欠です。特に脱炭素化に関する基準や取り組みの公表は、顧客や消費者に安心を提供するだけでなく、サステナビリティのアピールにもなるため、製造業界全体が注力すべき点です。

製造業の脱炭素化へのアプローチ

  • 温室効果ガスを排出しないエネルギー源を用いる
  • エネルギー消費量を削減する

QA(品質保証)に必要なスキルや資質  


品質保証への取り組みは、企業存続にも関わる重要な要素です。社会的に信用される企業であり続けるためにも、品質保証を担当する従業員を慎重に選ぶことが求められます。

品質保証を担当する従業員に求められる主なスキル、資質としては、次のものが挙げられます。

  • データ収集・分析スキル
  • リスクマネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル

詳しく見ていきましょう。


データ収集・分析スキル

品質の調査は客観的なデータに基づいたものであることが求められます。正確かつ高度なデータ収集スキルと分析スキルが必要です。


株式会社 三井化学分析センターは、多様化する樹脂リサイクル市場に対応するリサイクル材を、部材から製品まで幅広く展示します。

ほかにも「高機能素材 Week」では、データ収集や分析スキルに関する情報が多数展示されます。ほかにも材料の製造加工機械、検査・測定・分析機器などが一堂に集結するため、各業界の研究・開発・設計・製造担当者の方におすすめの展示会です。


リスクマネジメントスキル

顧客や消費者のクレームは企業にとって有益な情報ですが、クレームへの対応を間違えると、社会的信用を失い、大幅な売上減につながることもあります。品質保証を担当する従業員は、あらかじめどのようなクレームが届くか想定し、とるべき対応を決め、フロー図として作成しておくと良いでしょう。

トラブルを想定した適切な対応の策定・実施には、高度なリスクマネジメントスキルが必要です。多面的に物事を見る視野の広さ、対応の柔軟さなども品質保証を担当する従業員には求められます。


コミュニケーションスキル

現場で正しく品質をチェックするためにも、コミュニケーションスキルは不可欠です。普段から仕入れや製造などの品質保証が必要になる部署とコミュニケーションをとっておきましょう。

また、顧客や消費者との対応でも、コミュニケーションスキルが必要です。相手の立場に立った丁寧なコミュニケーションで、トラブル拡大を防ぎます。

品質保証のための評価・分析機器ををお探しなら「高機能素材Week」がおすすめ  


RX Japanが主催する展示会「高機能素材 Week」は機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなどの最先端の素材技術が一堂に出展する世界最大級の展示会です。材料の検査・測定・分析機器、製造加工機械など素材産業に関わるあらゆる技術が出展します。

下表に、開催地域・開催場所・日程をまとめました。

開催地域

開催場所

日程

東京

幕張メッセ

2025年11月12日(水)~14日(金)

大阪

インテックス大阪

2025年5月14日(水)~16日(金)

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まとめ


品質保証はメーカー存続を左右する重要な業務です。原材料の仕入れから製品チェック、梱包・出荷に至るまで適切な基準を策定し、丁寧に実施しましょう。

また、顧客・消費者からのクレームに備えることも品質保証の大切な業務です。想定されるクレームごとにフロー図を作成しておくと、スムーズかつ的確な対応を実施しやすくなります。

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【監修者情報】

▶監修:近藤 元博(こんどう もとひろ)

肩書:愛知工業大学 総合技術研究所 教授

プロフィール:1987年トヨタ自動車に入社。生産工程から排出する廃棄物や、使用済み車両のリサイクルなど幅広い分野で廃棄物の排出削減、有効利用技術の開発導入と併せて分散型エネルギーシステム、高効率エネルギーシステムの開発、導入を推進「リサイクル技術開発本多賞」「化学工学会技術賞」他資源循環、エネルギーシステムに関する表彰受賞。2020年から現職。産学連携、地域連携を通じて資源問題、エネルギー問題に取組中。経済産業省総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 脱炭素燃料政策小委員会 委員他