高機能素材 Week
2025年11月12日(水)~14日(金)
幕張メッセ

株式会社KNiTは、今年6月にAIを活用した画像解析サービス「GeXel(ジクセル)」を開発した。このサービスは、研究者や熟練作業者が手作業で行っていた画像解析を、数クリックで自動化できる画期的なものである。展示会では、実際の操作方法や導入事例を通じて、「GeXeL」がどのように役立つかを具体的に紹介する予定である。

サービスの特徴

「GeXeL」は、研究開発の現場で扱う画像データを、AIを使って自動的に数値化するサービスである。従来は解析に多くの時間を要していた画像や、人の手では解析不可能な画像を解析できる。GeXeLではクラウドに画像をアップロードするだけでAIが解析を行うため、専門的な知識がなくても高精度な解析が可能である。

さまざまな業界での活用事例

「GeXeL」は、化学業界や食品業界、医療・美容業界など、さまざまな分野で活用されている。化学業界では粉体の形状や粒子の大きさ、触媒の凝集具合などを正確に解析する事例があり、食品業界ではパンの空孔サイズや培養肉の細胞解析、医療・美容業界では細胞やコロニーの解析が行われている。AIを使うことで解析結果のばらつきが減り、一定の品質基準を維持できるようになっている。これにより、作業者の熟練度に依存せず、安定した製品品質の確保に貢献している。

GeXeLが目指す未来

KNiT代表の窪内氏は、自身の研究経験をもとに「画像解析を自動化すれば、研究者はより創造的な仕事に集中できる」という思いからこのサービスを開発した。GeXeLは、従来定性的にしか扱えなかったデータを数値化し、さらに製品性能向上への活用も期待されている。他社製ソフトで満足できなかった技術者にとって、GeXeLは革新的なソリューションとなるだろう。(文:落合平八郎広報事務所)


【会社概要】

会社名:株式会社KNiT
代表者:代表取締役 窪内 将隆
設立年:2023年12月      
業務内容:AI を用いた画像解析サービス

ホームページ:https://knit-itech.co.jp/gexel/

 


粉体観察において重なりや凝集粒子の1次粒子径をみたいときに画像データがあれば全自動解析が可能に。「教師データなし」で使える(同社提供)

すでに化学業界や食品業界の企業から引き合いが続々ときている(同社提供)

窪内 将隆(くぼうち まさたか)さん (同社提供)

1988年生まれ。大阪府出身。東北大学工学研究科(応用物理専攻)で博士号取得後、産業技術研究所で熱電変換素子の研究に従事。その後、化学メーカーに入社後、研究や技術開発の現場で粒子の数や大きさを測定している課題に気づくなか、AIと出会う。同社を退職後、 2023年12月にKNiTを創業。同年に大阪産業局が主催する大阪起業家グローイングアップ・第19回ビジネスプランコンテストにて優勝を果たす。