高機能素材 Week
2025年11月12日(水)~14日(金)
幕張メッセ

100年続く撹拌技術のリーディングカンパニー

佐竹マルチミクス株式会社は、100年以上の歴史を持つ撹拌技術のリーディングカンパニー。主力製品である撹拌機だけでなく、蓄積した撹拌と流体解析技術を応用し、培養・分級分野へと新たな事業を展開している。同社の分級機は、主に半導体や電子部品の製造過程で活用され、特にフィラーの粒度調整や微細粒子の分級においてその強みを発揮する。

独自技術を活用した他方面への貢献

2020年に発売した分級機は、スラリー中の粒子を精密に選り分ける技術を搭載しており、既に電子部品材料、電池材料メーカーなどへ多くの導入実績がある。ラボ用と標準タイプの2つのモデルを展開しており、年内にはさらに処理量をアップした量産モデルもリリース予定。工場内の収率UPや金属を回収したいという要望もあり、従来よりも高い処理能力を必要とする顧客のニーズにもこたえる。同時に、分級機能に限らず、不純物の除去、原料の濃縮処理、スカルピングなど、多様なアプリケーション展開で新規用途を広げる。

また、同社の培養製品は動物培養や微生物培養のほか、近年話題のiPS細胞の培養にも使われている。培養する際に、同社の技術を活用することで目的にあった最適な培養環境を実現している。

撹拌技術の総本山「撹拌技術研究所」

同社の「撹拌技術研究所」は埼玉県戸田市にあり、約20名の研究者が最新技術の開発に取り組んでいる。1987年に設立され、今もなお同社の技術革新を支える重要な役割を果たしている。技術の進化に伴い、今後もさらなる業界への貢献が期待されている。

展示会ではデモストレーションを披露

今回の展示会では、同社の技術を目の当たりにできるデモンストレーションが行われ、来場者が直接その性能を目で確認できるテスト用のラボ用分級機を展示する予定。透明な容器を用いて分級のプロセスを視覚的に理解できる工夫がされており、来場者にとっても分かりやすい展示を準備している。同社の担当者は、「100年培った撹拌技術を、出展ブースにあるデモストレーションでその機能を実感していただきたい」と抱負を語る。(文・写真:落合平八郎広報事務所)


【会社概要】

会社名:佐竹マルチミクス株式会社
代表者:代表取締役社長 西岡光利
設立年:1938年2月28日
業務内容:化学機械・装置、食品機械・装置、水処理機械・装置、製剤機械・装置、培養機械・装置、分級機械・装置、撹拌装置・分級装置・培養装置・環境試験装置で構成された各種機械装置の製造販売など
ホームページ:https://www.satake.co.jp/


スラリー中の微粒子を精密にふるい分け!高精度湿式分級機 『iClassifier』

小容量から中容量(液用量:10~100L)までの試験・生産に適用した、小型万能撹拌機 EGミキサー

日本で唯一の撹拌を専門に研究する「撹拌技術研究所」。写真の第1テストヤードには地中埋め込み型の70トンの試験槽のほか、6トンのアクリル槽も地下ピットから観察可能。撹拌に関する基礎研究やユーザーとの共同研究・開発、新製品開発を推進している。