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最新の超薄板ガラスを出展:量産出荷を開始
日本電気硝子株式会社は、今年8月に量産採用を発表した化学強化専用超薄板ガラス「Dinorex UTG®」を展示会で出展する。このガラスはモトローラ社の新型折りたたみスマートフォンのメインディスプレイカバーとして採用され、今後の需要拡大が見込まれている。出展ブースでは、製品のデモ展示を通じて、来場者にその先進的な技術を披露する。「Dinorex UTG®」を採用検討するスマートフォンメーカーも増えており、さらなる市場展開を図る計画だ。モバイルデバイスや曲がるディスプレイなど、次世代技術に不可欠な素材としても注目されている。
超薄板ガラスの用途拡大の可能性
樹脂材料の代替も視野に
同社の「Dinorex UTG®」は、直径3㎜(R1.5)以下に曲げられるほどの柔軟性を持ちながら、耐熱性や耐久性に優れており、その特性を生かし、樹脂材料の代替として幅広い用途での採用を見込んでいる。同社の超薄板ガラスは「Dinorex UTG®」に限らず、アルカリフリー材質の「G-Leaf®」や、紫外線遮蔽特性に優れた「紫外線遮蔽 超薄板ガラス」など、多様な製品ラインナップを持つ。ディスプレイカバー材としての利用に留まらず、自動車、家電、太陽電池など、次世代技術を支えるさまざまな分野への展開を目指しており、このガラスがどのように市場で活用されるかに注目が集まりそうだ。
環境配慮型の「フッ素フリー撥水・撥油膜」
このほか、同社は「フッ素フリー撥水・撥油膜」を展示会で披露する。この膜はPFAS(有機フッ素化合物)を一切使用せず、高い撥水・撥油性能を持つ環境に優しい技術である。透明性も非常に高く、可視光透過率は91%以上で、医療用ゴーグルや電子基板の防湿保護、さらには食品加工施設や調理室などでも優れた視界を提供する。撥水性(純水)は接触角105°を達成し、環境への配慮とクリアな視界の確保を両立させている。
用途拡大の可能性
展示責任者である森本氏は、今回の展示会を通じてこれら革新的な技術が広く認知されることを期待している。同社担当者は「このガラスは単なる素材ではなく、多様な価値を付加している。環境に配慮した撥水・撥油膜技術とともに、今後ますます幅広い分野で利用されることを目指している」と抱負を語る。展示会でのデモを通じて、より多くの顧客にこれら技術の可能性を感じてもらい、次世代の製品開発に貢献したい意気込みが感じられる。
【会社概要】
会社名:日本電気硝子株式会社
代表者:代表取締役社長 岸本暁
設立年:1949年12月
業務内容:特殊ガラス製品の製造・販売およびガラス製造機械の製作・販売
ホームページ: https://www.neg.co.jp/
高い表面平滑性と板厚の均一性、曲げ特性に優れているのが特長
PFAS規制に対応。可視光透過率も高く、透明性が求められる用途に適用可能。
市場のニーズに柔軟に対応できる技術力が同社の強みである。