プレス機・圧縮機はリサイクルでどう使われる?
利用される素材、製品の実例
立方体状に固められた古紙やプラスチックなどが、トラックに載せられ運ばれているのをご覧になったことはあるでしょうか。
あのように、きれいな形に整えられているのは、プレス機・圧縮機という機械の存在によるものです。プレスをかけ、廃棄物のサイズを小さくし、運びやすくしています。そうすると、輸送回数などを減らせてコストや環境面で優位となります。
つまり、プレス機はリサイクルを進め、環境を守るため、重要な機械です。この記事で、詳細を見ていきましょう。
プレス機・圧縮機とは?なぜ圧縮が必要なのか
プレス機・圧縮機とは、物体に圧力をかける機械です。そうすることで、形を変えられたり、かさ(体積)を減らせたりします。
冒頭でリサイクルにおけるプレス機に触れましたが、それ以外の用途も存在。この点を、次に取り上げます。
この記事を読んでいる方には、製造業に携わっており、社内でリサイクルを推進する、リサイクルに資する製品をつくることを考えているケースもあるのではないでしょうか。そういった方にとってプレス機は、金属や樹脂などの加工に使う機械というイメージの方が強いかもしれません。
プレス機・圧縮機の用途
材料の加工で使うプレス機の実例を見てみましょう。リサイクルテック ジャパンと同時開催している高機能素材Weekでは、Guangdong ClNCY Intelligent Equipmentというメーカーがつくった「粉末成形サーボプレス機」が展示されたことがあります。左の写真がその実物です。
粉末成形サーボプレス機とは、粉末を金型に入れ、圧縮、成形を行う機械です。
一方、プレス機・圧縮機はリサイクルの世界でも使われます。その場合、缶などの金属やプラスチック、紙、繊維を圧縮し、再資源化の工程で使われたり運びやすくしたりするために利用します。
リサイクルでプレス機・圧縮機を使う素材
再資源化のため、運びやすくするためにリサイクルで使われる、プレス機・圧縮機。特に、かさを減らして運びやすくするケースが見られます。
ここでは、どのような素材にプレス機が使われるか、見ていきましょう。
金属
空き缶や自動車の外板部として使われた金属は、薄い素材であり、また成形によってできた空間が存在します。薄い金属であるということはプレスをかけやすく、また空間は運ぶ際にスペースの無駄があるということです。
こうした金属にプレスをかけ、運搬時、リサイクル時の利便性を高めます。
プラスチック
プラスチックも運びやすくするなどが、リサイクルでのプレス機の利用法です。しかし、プラスチックはプレス後の形が崩れやすいこともあり、PPバンドを使った梱包機能もプレス機に備えられている場合があります。
紙
紙にプレス機をかける場合は、紙以外のものを取り除く選別作業を経た後となる場合があります。プレス後は、再生紙をつくる工場に運ばれる場合が多く見られます。
機械類
廃棄された家電や自転車など機械類も、プレス機にかけられる対象の一つです。先ほどの金属と同じく、無駄なスペースを減らすためという意味合いがあります。プレス後は、破砕を行うシュレッダー業者などに引き渡されます。
繊維
ここで触れる繊維は、主に衣類の廃棄物です。選別や仕分けされた繊維をプレス。そして運搬された後、反毛という繊維を引っ掻いて綿の状態にしたり化学的な分解をしたりして、再利用を行います。
可燃ごみ
可燃ごみもプレス機にかける場合があります。ここまで触れた素材と同様、プレスにより小さくすることで、運びやすくするため、運ぶ回数を減らすため、一時的に保管する場合も場所を取らないため、といった理由からプレスを行います。
リサイクルで使われるプレス機・圧縮機の種類
プレス機・圧縮機といっても、構造などによりいくつかの種類に分けられます。ここで見ていきましょう。
機械の構造で見たときの3種類、用途が決まっている1種類、プレス以外の機能も備えた1種類の合計5種類を取り上げます。
一方締めプレス
一方締めプレスは、一方向式プレスとも呼ばれる機械です。
プレスするものを機械に投入。圧力(プレス)をかけるスライド部が対象物を機械の箱のようなスペースに押し込み、結果、立方体状に形づくられます。
比較的簡素な構造であるため、導入コストが安価であるという長所と、圧力密度がやや低いという短所があります。
二方締めプレス
二方締めプレスは、上蓋シリンダーとメインシリンダーの2方向からプレスするため、この名称となっています。
一方締めプレスより強い力でプレスするため、きれいな形にプレスでき、導入コストはやや高めです。
三方締めプレス
三方締めプレスは、次の3方向からプレスを行う機械です。「上下方向」「左右(水平)方向」「奥行方向」となります。
二方締めプレスより、さらに強い力でプレスできます。そのため、大きな物体もプレスできますが、電力などの消費エネルギーは大きくなりがちです。
段ボールプレス機
段ボールをプレスするための機械もあります。一方締めプレスと同様の構造をしているものがある他、上下にコンベヤーが付いており段ボールを入れるとシュレッダーのように引き込まれてプレスするものもあります。
圧縮梱包機
先ほど、プレスチックをプレスする場合は形が崩れるのを防ぐために梱包機能を備えている場合があることを紹介しました。このタイプの梱包機が、圧縮梱包機です。
プレス機・梱包機の価格相場|中古品はある?
リサイクルのためプレス機・梱包機を導入するとなったら、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
実のところ、リサイクル向けのプレス機は顧客の要望に応じてつくられるケースが多々見られるため、価格相場は出しづらいのです。プレス機に限らない一般的な産業用機械の相場から推察すると、安いもので100万円程度、高いものになると億単位のお金が必要になると考えられます。
一方で、中古品も存在します。安いもので数十万円ですが、高いものだと1000万円程度をするものもあり、また価格は「要問い合わせ」と書かれているケースもあります。
前述のように、オーダーメイドでつくられるプレス機があるため、中古品の場合は、本当に自社の目的とあったものであるか検討する必要があるでしょう。
まとめ|リサイクルの現場でも大活躍のプレス機・圧縮機
プレス機・圧縮機というと、金属や樹脂の加工に使う機械というイメージをされるケースが多々あります。しかし、この記事で見てきたように、リサイクルの現場でも活躍する機械です。
リサイクルでプレス機・圧縮機を利用することによって、輸送回数や輸送エネルギーの削減につながります。これにより、単にリサイクルを行うだけでなく、リサイクルや再生品に付加価値をつけられます。
リサイクル向けプレス機・圧縮機をつくるメーカーの皆様は、ぜひリサイクルテック ジャパンへの出展をご検討ください。2025年からスタートした展示会で、見込み客と直接、コミュニケーションが取れ、マーケティング面で高い効果が期待できます。
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